※ amarelo_n24 さんの Coffee Advent Calendar 2019 の14日目の記事です。
ワインとコーヒーの違い
2018年1月の ssmjp で LT したネタだが、5分 LT だったので『よくわからない』という声が多かったようだ。あえてここで再びお話してみようと思う。
価格決定プロセスにみるワインとコーヒーの違い
ワインは歴史があり、生産者と消費者が近く、生産者もまた消費者である。コーヒーはワインに比べて歴史が浅く、生産者はコーヒーを飲まない(飲めない)。
その結果、ワインは品質と価格が比例していて価格が安定している(価格透明性が高い)。生産者ごとにブランドがあり、品質の良いものを作れば高く売れる。
コーヒーは生産量によって価格が乱高下する「時価」になっていて同じ価格でも品質にバラつきがある。また、生産地(生産国)ごとにまとめて出荷されるので、個々の農家は品質よりも生産量を多くすることに注力する。
(参考文献には他にもいろいろと違いが解説されているので是非御一読いただきたい。特にレストランやホテルでのワインとコーヒーに対する考え方の違いは衝撃的だ。)
だから?
ワインもコーヒーも農産物を加工した飲料ということでは変わらない。だから「品質に見合った価格のものを飲みましょう。」
というのが LT でお伝えしたかったことのひとつ。
IT 業界はどっち?
ここからが本題。LT したときは前振りに時間かけ過ぎだったか。(反省)
IT 業界の価格決定プロセスはどっち?
あなたの仕事の価値(価格)は誰がどうやって決めているのか?
お客さんは、皆さんの仕事の「何」にお金を払っているのか?
IT 業者は価格に見合った品質を提供できているだろうか?
言うまでもなく、いまの IT 業界は「時価」モデル。 そこで働いているみなさんはコーヒー農家と同じ価格決定プロセスの中にいる。
ワイン農家のように「良いものを作れば高く売れる」ようになりたいと思いませんか?
参考文献:
「コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか」
コーヒーハンター川島良彰 著 ポプラ新書
※初出: ささみのほん2(2018.10.8 技術書典5)